詳しい人に聞くときは、相手の時間と選び方から
詳しい人に何をどう聞けばいいか迷う人へ、相手の選び方と聞きに行く目安を伝えます。
技法を増やす前に、相手の時間を奪わないことが先
詳しい人に聞けば早いと分かっていても、誰に、何を、どう聞けばいいか分からないことがあります。忙しそうな相手に聞くのは、迷惑ではないかと感じることはないでしょうか。
質問の技法を身につければ、実力がなくても優れた人から情報を引き出せると言われます。 (齋藤孝『質問力――話し上手はここがちがう』筑摩書房、ちくま文庫版2006年 https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480421951/ 取得 2026-09-18) 自分で10分調べてから質問する、という判断基準も紹介されています。 (ログミーBusiness「未経験の仕事を乗り切るために必要なのは『教わり力』」 https://logmi.jp/main/skillup/327935 取得 2026-09-18)
ただ、これらはどちらも、聞く前にどれだけ準備するかという、聞き手の側を基準にしています。ここからは私の考えです。仮説(自分なりの答えの見当)を立てて、Yes か No で答えられる形にしてください。そうすれば、相手の時間を奪わずに、数十秒で答えてもらえます。私自身、相手が忙しくて断られたこともあります。
この記事が向くのは、社内か取引先に、その分野を長くやってきた人がいる場合です。聞ける相手がいないときは、この記事の考え方は使えません。
本で前提を作ってから人に聞くという順番は、先読みで学ぶ、新しい分野の知識の仕込み方 にあります。
選ぶ相手は、肩書きではなく長く手を動かしてきた人
聞く相手を選ぶとき、基準になるのは肩書きや役職ではありません。その仕事を実際に長く手を動かしてきた人かどうかです。
社内にその分野を担当している人がいればその人に聞きます。取引先にしか分からないことは、取引先の担当者に聞いてください。その道で長くキャリアを築いている人を選び、前提や背景を伝えたうえで、聞きたいことを聞きます。その道でやってきた人でないと分からない、本に書いていない具体的な事例も聞けます。
聞きに行く目安に、仮説を言えるかを足す
調べた時間を目安にする考え方があります。10分調べてから聞く、という基準もその一つです。
私はこう考えます。調べた時間という目安に加えて、自分の言葉で仮説を言える状態になったかどうかも、判断の材料にしています。
忙しい相手には、会議や面談の時間をもらうより、チャットやメールで仮説を1つだけ送ってください。そのほうが、答えてもらいやすくなります。
聞くなら、たとえば『この申請は、先に上司の承認を取ってから出すものだと理解しています。合っていますか』のように、自分の仮説を一文にして聞きます。
送るなら、たとえば『新しく担当することになった業務で、一点だけ確認させてください。月次の報告は、数字が確定してから翌週に出す、という理解で合っていますか。Yes か No で教えていただけると助かります』のように、前提と仮説とお願いを短くおさめます。
No が返ってきたときと、答えをもらった後にすること
仮説に No が返ってきたとき、そこで終わりにする必要はありません。
私なら、No の意図や理由と、実際のところはどうなのかを詳しく聞きます。
そこから、本に書いていない具体的な事例が出てくる可能性が高いと考えています。
それでも相手が忙しくて聞けないときは、諦めるしかありません。
答えをもらった後は、どう使ってどうなったかを短く返しておいてください。次に聞きやすくなります。
おさらい
- 技法を増やす前に、相手の時間を奪わないことを意識します。仮説を立て、Yes か No で答えられる形にすれば、相手は数十秒で答えられます
- 相手を選ぶ基準は肩書きではなく、実際に長く手を動かしてきたかどうかです。社内にいなければ、取引先の担当者に聞きます
- 聞きに行く目安には、調べた時間に加えて、自分の言葉で仮説を言えるかどうかも入ります。忙しい相手には、チャットやメールで仮説を1つだけ送ります
- No が返ってきたら、意図や理由と実際のところを詳しく聞きます。答えをもらった後は、短く結果を返しておきます
全部を一度にやる必要はありません。まずは、次に聞きたい一つを仮説にしてみるだけで構いません。